月残業100時間で心や身体はどうなるの?経験者から生の声を集めました!

月の残業が100時間というと、過労死ラインとも呼ばれており、健康リスクが高まるとされる時間外労働時間と認知されています。

土日が休みの会社の場合、1日あたりの残業時間が5時間。つまり、9時から23時まで働き続けるということです。

1日の大半を仕事に明け暮れる日々は、心身の状態にどういった影響を与えるのでしょうか?

この記事では、残業が月100時間を超えたことのある方の事例を元に、心身の不調や残業に対する思い等、経験者の生の声をご紹介します。

登場人物

 100時間超の残業を経験したAさん

 キャリアアドバイザー エス

休日ほぼゼロ!の過酷さ!

 

 今回は1か月の残業が100時間を超えたAさんに話を聞いてみようと思います。Aさん、よろしくお願いします。

 

 よろしくお願いします。

 

 まずは、月に100時間を超えて残業していたお仕事について教えてください。

 

 大手旅行代理店の法人営業の時に経験しました。

 

 月100時間って、ぶっちゃけ、どうなんですか?

 

 まず、長時間仕事をする体力が必要ですね。今はとても真似できません。

 

 そうですよね。でも、体力があれば大丈夫!乗り切れるって訳でもない?

 

 はい。私の場合は、いつも時間に追われていたので、トイレに行く時間を惜しんでしまって、2回膀胱炎になりました。また電話の受話器を右耳と右肩の間に挟んで、両手でパソコンを打ちながら仕事をしていて、顎関節症にもなりました。

 

 それは大変でしたね!精神面では大丈夫でしたか?

 

 精神面では、私はタフな方でしたが、いつも怖い表情をしていたようです。転職して表情がすごく柔らかくなったと多くの人に言われました。

 

 毎日、張り詰めた精神状態だったんでしょうね。同僚の方などは、どうでしたか?

 

 心療内科の診断書を持ってきて辞める人が何人もいました。他にも、ストレスで片耳が聞こえなくなるような人もいました。

 

 病んで辞めてしまうとは…一番アカンやつですね。辞めてすぐ、別の仕事で働くって訳にもいかないですし。

 

 そうですよね。とにかく自分の人生が最優先です。人は幸せになるために生きていて、その糧を稼ぐために仕事をしているわけなので。社員が体や心を壊しても、会社は責任は取ってくれません。6年前に辞めて良かったし、もっと前に辞めればよかったとまだ思っています。

 

 なるほど。Aさん、ありがとうございました。

他の先輩の体験談も聞いてみた!

残業100時間を超えると、単なる疲労というのではなく、身体の異変や精神的にもダメージが起こる可能性が高くなるんですね。

残業することはあるにしろ、体と心を壊してまでもやることではないですよね。やはり、自分の限界は自分で見極めて、まずいと思ったら逃げるべきなのかもしれません。

その他にも、100時間超の残業を経験した先輩方の体験談をご紹介します!

★激やせして、体調不良に!

★印刷会社のDTPオペレーター (40代・女性)

食事や睡眠を削って仕事をしていたので、みるみる痩せていきました。会社が近付くと下痢になるので到着後すぐトイレに行く事から始まります。風邪をひいているわけでもないのに37度前半の微熱が半年以上続く、吐き気、めまい、頭部の神経痛のような痛み等の症状がでました。精神的にも苦しく、何をしても失敗などしていないかなど過度に心配になるので作業速度も悪くなり、それがまた残業をまねくという悪循環に陥りました。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

それだけの残業をしなければならないという事は、何かしら追い込まれている状況だと思います。やりがいをもってやっている仕事であっても通常の労働時間に加えての100時間労働は必ず身体に変調をきたします。私は現在バセドウ病にかかっています。原因は不明のままですが、ストレスや過労が発症の原因とも言われています。頑張らなければと思えば思う程ど壷にはまる可能性があるので、一度上司や同僚ともよく話し合い、それでもだめなら転職という選択も考えて良いのではないでしょうか。

★疲れも取れず、意味もなく涙がでた!

★公の機関 (20代・女性)

当たり前ではあるが、疲れが取れない。眠気も取れない。日中の業務に支障が出る。気分が晴れず、帰りながら涙が出てきたことも多々ある。とにかくいかに睡眠時間を確保するかだけを考えていた毎日だった。私よりも上司の方が残業しており、先に帰ると言い出せず付き合い残業していたこともあり、ほんとうに辛かった。お金は多くもらえたが、その分多くのものを失った気がする。

今も仕事を続けていますか?

はい

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

残業の理由はなんですか。今一度よく検証すべきです。とくに付き合い残業の人は絶対に無駄なことなので周りの目など気にせず帰宅してください。何もやることがなく過ごす時間が一番辛いです。やることが捌ききれずに残業せざるを得ない人は、上司に相談して業務を分配してもらいましょう。無駄な資料作りなどがあればやめてしまいましょう。本当にその組織や業務にとって必要な作業だけを取捨選択すれば、今抱えている業務は半減するはずです。

★憂鬱でやる気が起こらない!

★量販店チェーン店 (50代以上・男性)

長時間労働も慣れると普通になりますが、疲れは溜りますが。ストレスも溜りますが、自宅では食事をして寝るだけです。そして休日は週2回あるものの、半日くらいは寝ていましたが、夕方になると憂鬱になっていました。趣味も楽しもうという気さえ起らない状況でした。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

その会社に入ってしまった自分の責任でもあります。こういうサービス残業の非常に多い会社は、会社自体の体質があります。このような会社で仮に出世しても、上がるのは給与だけで、健康状態や心身の状態は下がり続けます。せっかく入社したから頑張ろうと我慢して、その結果、幹部になっても待っているのは地獄の日々です。実際私は幹部になって辞表を出しました。転職した会社でも幹部ですが、この会社は済んだら早く帰ろうという体質ですから、社員のほとんどがストレスはありません。キツイ会社で頑張る気力よりも、会社を辞める勇気の方が難易度は高いですが、上司や幹部が辞める会社はいい会社ではありません。ここが見極め時です。

★鬱状態で夜も眠れない!

★大工 (20代・男性)

毎日毎日が朝憂鬱で鬱状態でした。鬱状態の為ご飯もあまり食べれず睡眠をとれず、どんどん顔色が悪くなり痩せていきました。夜睡眠が取れないため仕事中にくる眠気がきつく集中できませんでした。たまにある休みも休養にあてるため出掛けたりすることができずなんのために働いてるのかわからなくなりました。

今も仕事を続けていますか?

はい

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

100時間残業してみた結果 とても毎日がつらく、身体より先に心にダメージが来ました。毎日同じ仕事なので身体は慣れますが毎日毎日やすみなく働くので自分の時間がなく心に余裕が全然もてませんでした。給料は悪くなかったのですが給料を使える時間もなく、たまにある休みも寝ておわりです。残業代出るだけマシかもしれませんが残業代いらないので自分の趣味などのできる休みが欲しいです。もし転職できるなら週で2日休日ある仕事に転職したい。

★お風呂に入る気力もなくなった!

★プログラマー (40代・男性)

若いころは元気がありましたので、特に身心の調子が悪くなることはありませんでした。周りのメンバーも活気があって全然平気でしたが、歳をとってからは朝がつらくなり、昼間も眠気があり、仕事に集中出来なくなってきました。帰ってきてもすぐに布団にはいり、朝もギリギリまで寝ていたかったため、風呂も入る元気もなく、毎日汚い状態で過ごしていました。なので、土日は極力休みたかったので平日頑張って残業していました。

今も仕事を続けていますか?

はい

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

私の若いころは、会社自体も若く、社員も皆若く活気があり残業は苦にならない雰囲気でした。むしろ残業していることが楽しかった思い出となっています。しかし、他の会社に入った同級生が倒れる一歩手前まで働き詰めた結果、生活がガラリと変わってしまった実情を垣間見て、今は仕事のやり方を考えるようになりました。もし、いま上司に言われて残業が断れない人がいましたら、そこは絶対に無理なことは無理と言いましょう。私も部下をもつようになりましたが、無理して出来ないより、初めから無理と相談してくれる方がよいです。そこの仕事をコントロールするのが上司なのですから。

★時間や曜日の感覚がマヒしてしまった!

★機械修理会社の技術職 (30代・女性)

食べる時間ももったいないほど仕事の量が多く、やってもやっても金銭的にも気持ち的にも満たされないというストレスから体にいろんな症状がでました。蕁麻疹、リンパ腺が腫れて手が腫れて痛かったり、足元がふらついてよくこけてしまったり、耳が聞こえなくなったりしました。一日もあっという間に過ぎますが、あっという間に次の日になっていて、曜日感覚も時間の感覚もなくなってしまい考える力がありませんでした。そうとう辛かったです。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

私は一番下っ端だったのですが、新人だから仕事量が多いのではなく、先輩達ももっと辛そうに見えました。我慢して良くなるのであれば、続けようと思いましたが、何も改善しないし、みんな病んでいるし、偶然ですが私が辞めると言ったら続けて3人もの人が一緒に辞めることになりました。みんな辞めたくてタイミングを見計らっていたそうです。体と心を壊してまでもやることではないし、早めに決断して次のステップに進んだほうが時間的にも精神的にも金銭的にも良かったと思います。いまもあの時に早く辞めて良かったなと思っています。

★睡眠障害の症状が出て、適応障害に!

★医療材料滅菌サービス会社の大学病院施設所属の労務管理責任者 (40代・男性)

生活サイクルの調整が困難になり、めまいや日中の強い眠気、帰宅してからは疲れているが眠れないなどの睡眠障害の症状が出ました。さらに、就寝時に目をつむると閉塞感に襲われ、パニック状態になりました。当時の仕事内容の記憶というよりは、どうやって100~200時間の残業していたのかがはっきりと覚えていません。とにかく義務感や責任感だけで仕事をしていたので、毎日がつらく、毎日夢の中でうなされていました。次第に何も考えないようにして感情を殺していました。さらに、朝目が覚めても半日体が動かない、イライラ、焦燥感、においや音、人の気配、大勢が集まるところに敏感になってしまい、結局、最後は適応障害になりました。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

月100時間を働く体力もそうですが、職場の業務内容や人間関係、立場などもかなりの精神負担になると思います。会社や現場が協力的且つ、解決期間を定めてくれるのであれば、多少の妥協点はあると思います。それがないとなると、命に関わる結果へとつながると思いますので、自身の早めの決断が必要になると思います。そういう職場環境のところは、都合の悪いことにはふたをしてしまうと思いますので、大事に至る前に家族や友人や公的な機関の力を借りて対処したほうがいいと思います。責任感の強い方がそのように追い詰められてしまうと、自身の経験からそう思いますので早めに転職をしたほうが良いと思います。私の場合、退職をして治療も終わりましたが、退職して半年をすぎても、毎日前職の事が夢に出てきます。自分では大丈夫と思っていても、それだけ心や意識に深く刻まれてしまいますので、どうか無理をせず、回避することも勇気だと思って実行してください。退職をしてしまうと生活費などの問題もあると思いますが、命や健康は何物にも代えがたいと思います。

★休んでも休んでも疲れが取れない!

★派遣社員として半導体製造工場での製造及び検査 (40代・男性)

体も心もきつかったのは確かですが、全てはお金の為にと気合いで乗りきったという感じです。ただやはり、仕事中に集中力を欠きミスをする事も多々ありましたし、眠気に襲われる事もありました。又、寝坊や体調不良による早退なども多少ありました。休日になって休んでも疲れが取りきれてない感じでした。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

しっかりと残業手当として支給する会社で、尚且つ目的や目標などがあるのであれば100時間越えの残業も有りだと個人的には思います。ただ実際私は1年が限界でしたし、それ以上続けていたら確実に身体を壊してたと思います。若さとモチベーションがあれば不眠不休でも乗りきれるでしょうが、その代償はその後必ず何らかの形で現れるとも思います。ちなみに、残業手当がしっかりと支払われない会社は論外です。無論、管理職であるがゆえの責任感であったり居心地が良い(人間関係等)がゆえにサービス残業を自ら率先してる方等もいらっしゃるかとは思いますが、やはり身体を壊してからでは手遅れです。全ては個人の自由ですし個々其々様々な事情があるのでしょうが、1ヶ月100時間越えは確実にジワジワと心身を蝕んでいくでしょう。

★精神も肉体も病んでしまった!

★病院勤務介護職の福祉サービス現場主任 (40代・男性)

極度のストレスから不眠になり疲れがとれずに、精神も肉体も病んでしまいました。勤務先の病院に行くまで車で通勤していたのですが、車の運転をしていて事故を起こしそうだったのでバス通勤に変えました。勤務先で車を運転する仕事があったのですが、寝不足で車の運転がとても怖かったです。休みを申告しても休みをもらえずにとてもつらい思いをしました。

今も仕事を続けていますか?

いいえ

残業に苦しんでいる方へのメッセージ

早めに退職をしていればよかったのですが、ギリギリまで頑張ってしまいました。その結果、うつ病になってしまって退職を余儀なくされました。最初の頃は残業がほとんどなくて急に忙しくなったので心と体がついていかなかったのだと思います。介護の現場はどこでも大変なのですが、100時間を超えて残業をしていると精神に負担がきて、うつ病になる人が多いようです。うつ病になる前に会社を辞めるべきだと思います。ブラック企業は現場の人間のことなど考えていないのだと思いました。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、月の残業が100時間超を経験された方からの事例を元に、心身の不調や残業に対する思いなどをご紹介しました。

共通して皆さんがおっしゃるのは、無理は禁物、ということ。自分の限界を超える前に、きちんと判断して行動することが大事なのではないでしょうか。

今すぐ、転職を考えていない人も、月の残業が100時間を超えている方は、ご自身の今後進むべき方向性を考えてみることも必要なのかもしれません。

是非、先輩の体験を無駄にせず、自身のこれからのキャリアや転職に活かしてくださいね。